2000年のゲーム・キッズ
OGRでは基本的に、解いてからしばらく経ったゲームで、特に印象に残っているものだけを書いている。なので書こうと決めた瞬間から、またゲームを解き直してしまう事がある。しばしばある。結構ある。
他にも、攻略をちっと書くか、なんて思い立った時にはやはり解き直してしまう。従って解き直しやすいADVは圧倒的有利だ。
掲示板で質問されたことをきっかけに、今回もゲームを始めてしまった。VIRUS(ウイルス)だ。これも何度解いてるかわからないのだが。
なんといってもネットが舞台なのが嬉しい。ネットの将来はきっとこうだろう、と思えるところが素晴らしい。レビューでも書いたが、このゲームでは、トランサーという棺おけのようなポッドを使い、ネットの世界に自分がデータ化して飛び込んで行くのだ。
問題はここからだ。
このゲームの中で、こんな様な事を、とある技術者が言う。
「ネットの世界で体験する出来事は、現実となんら変わりありません。近い将来、人口問題、食糧問題などは過去の遺物となるでしょう」
では、その問題の解決方法とはどういうものなのか?
このネットを使っての解決とは、人々はすべてトランサーに収納されたまま、ネットにアクセスして生活するということだろう。人口問題はそれでいいかもしれない。ネットだから、たぶん公害なんかもない。では食糧問題はどうするのか。やはりネットで食べた栄養を、トランサーで静脈注射したりして肉体に送るということなのか。
そうやって人口問題が解決した暁には、生まれつきネットで育った子供とかもいるのだろう。そんな子供たちにわざわざ「ここは仮想空間で、本当の肉体は別の場所にある」なんて言っても信じはしない。彼らにとっては今いるそこが現実だから。
しかし、コンピュータに肉体の管理をさせたままにするのはやはり怖いし、コンピュータそのものの管理をする人間だって必要なはずである。
もしかすると、今いるこの世界が既にネットで、ある日突然この日常が壊れて、寝ていた箱を開けたら暗い破壊された世界の中にいて、ひとり無数の箱の前で途方にくれることになるのかもしれない…。
……っと、こんなような話、どっかで読んだぞ、と思ったら、渡辺浩弐先生が書いたASPECT刊:2000年のゲーム・キッズでありました。この本だけでも34編もの短編が入っているので興味がありましたらぜひどうぞ。
願わくば、そういう方法での解決になりませんように……。
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